ポイヒガッサのHPは、「16n+9~11」が効率良いとされ、
特に16n+11のHP155が推奨されている。
しかし、これは大きな間違いである。
(※16n+11とは、16で割り算したら11余る数という意味)
そもそもHPが16n+9〜11だと何が嬉しいの?
簡単にいうと、
- 砂嵐ダメージ(天候ダメージ)が少なく
- ポイヒ回復量
が多く
- 「みがわり」
がいっぱい使える
のである。
具体例を表にした。
- 4nだとみがわりの使用可能な回数が少ない
- 16n+5~7, 16n+13~15だと、みがわりに使うHPを「胞子→みがわり」の2ターンで回復しきれないため、無限ループに持ち込めない
よって、候補は16n+1~3,+9~11の6個になる。
さらに、砂ダメとポイヒ回復量に注目しよう。
砂ダメ2回分よりポイヒ回復量の方が多い16n+9~11の方がお得だとわかる。
したがって、
- みがわり効率(4n+1~3)
- ポイヒ効率(8n+0~3)
- 砂ダメ効率(16n+8~15)
この3つの条件を満たすHPが16n+9~11なのだ!
16n+11はココが良くない
ここからが本題。16n+9~11のどれがいいのか。
注目するのは「みがわり」の耐久力である。
具体例としてH153(16n+9)とH155(16n+11)で比較してみよう。
今回ダメ出しされるキノガッサ君
努力値:H156 B100 S252振り
実数値 :155-150-113-c-80-134
例えばこのキノガッサのみがわりは、意地ミミッキュ
(A156)の影打ちをほぼ耐える(94%)。
しかしこの影打ち、HPを153まで削り、その分Bに回したキノガッサ(H-B 153-115)のみがわりなら、確定耐えするのだ。
つまり、153も155もみがわりのHPは38で変わらないのだから、みがわりが色んな攻撃を耐えたいなら、HPは153に留め、その分BやDに努力値を振る方が良いのである。
結論
少しややこしい説明になってしまった。
「計算はどうでもいいよ!結論は?」と訊かれれば、「HP16n+11より、16n+9のキノガッサの方がみがわりが残りやすくて強い」となる。
ただ、H155(16n+11)キノガッサが必ずしも間違いというわけではない。キノガッサ本体が何かの攻撃を耐えたい場合、H155の方が有利なこともあり得る。
とはいえ、ポイヒガッサ本体が致命傷を食らうような状況は少ないし、みがわりの耐久の方が欲しい試合のほうが多い。
みがわり
が耐えたい攻撃の例
というわけで、今の環境で「とりあえずポイヒガッサ使いたい!」という人は16n+9(H153など)のキノガッサを使うのがベターなのだ。
※昔は「本体が耐えて胞子する」のが大事だったからHP155が主流だったらしい。詳しくは追記にて。
おわりに
「ポイヒガッサは16n+11がいいって偉い人が言ってた」という感じで、私含め多くのポケ勢は何も考えず先人をマネて来たのだが、実は現環境では16n+9の方が強かった。驚愕。
一応補足しておくが、HP155のポイヒガッサを思考停止で使うのが弱いのであって、耐久に大きく振り「本体の耐久」を意識したガッサなどはこの限りではない。
また、16n+9~11調整が生まれたのは、天候が永続だった5世代以前のようで、今は天候ダメージは4ターン(長くても7ターン)しか受けないため、もはや砂ダメ込みの調整に大きな意味はない。16n+1~3も十分選択肢に入るといえるだろう。
ポイズンヒールキノガッサはカバルドンやポリクチをボコボコにできる神ポケ。
第4世代から続く伝統的なハメゲーを楽しみましょう。
ひょっとして
「16n+11が考案されたのは4世代で、当時S下降技が少なくガッサの起点を作りにくかった。だからガッサはまず本体が相手の一撃を耐える必要があり、そのため本体の耐久が最優先されて16n+11が選ばれた。」
というストーリーなのかもしれない。
→コメント欄にて指摘を頂きました。
ここから追記
HP155ガッサは5世代のメジャーな調整(155-151-101-c-92-134)で、
このような調整だったらしい。
本体のBもDも固くしたい場合はH155ガッサの方が有利であり、当時のトップメタを両方意識した欲張りなガッサが生まれたようだ。
結局、
- 「物理も特殊も耐えて胞子」ならH155
- 「上から嵌める」か「物理か特殊片方を固くする」ならH153
といえる。構築や好み次第だ。
私は遅い相手や余裕を持って攻撃を耐える相手にガッサを出しているので、「嵌めパターンをスタートできる確率を増やす」より「嵌めパターンを抜けられる確率を減らす」ことのほうが大事だ。つまり、H153ガッサの方が私に合っている。
なお、ここまでH153と155ガッサの話題ばかりで、それ以外に選択肢がないと誤解されたかもしれないが、
例えば物理耐久をできるだけ上げたいなら、H163B145腕白ガッサ(HP16n+3なのでポイヒ効率がいい)なども強い。
あくまで、「7世代でH155ポイヒガッサを使うなら、H153の方が良いことが多い。」ということだ。
こんな微妙な調整のおかげで拾える勝利なんてほとんどないが、わずかな勝率UPにも拘るのが考察の醍醐味だと思う。